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常備菜生活
中年、独り暮らし、料理、そして酒
薄利多売の是非
これだけ一気に不況の波が押し寄せてくると、大手スーパーの「生活大切品を値下げしました」云々のポスターが眩しく見えたりもする。それも、いわゆる名の通った食品会社のものが中心になっているのだからなおさらだ。

でもねぇ、私からすると、ちっともいいことにみえないのだ。たとえば、大手醤油メーカーの有機丸大豆醤油が安くなってるとしますよ。だいたい希望小売価格が1リットルあたり550円くらいのものが399円だとか(かつては238円くらいで安売りのこともあったけ)。これは本来、たっぷりの旨味と香りをもたせるため、醸造に1年、熟成に2年から3年は必要とされるものを3カ月程度で醸造できる設備でつくられた、醤油のようなもの、なのだ。それが1リットル550円っていうのは、私が普段使っている木桶仕込み・2年熟成の1升瓶1300円弱と比較すると、明らかにぼりすぎた値付けである。だから信じられないくらいの値段で安売りできる。このようなことをされると、本来正しい造りで醤油にまっこうから取り組んでいる醸造家たちの造るものが割高にみえ、本物の価値とそれに対する対価を支払う気持ちを減退させやしないだろうか。

もともときちんと造られていないまがい物を、安くできるのは当たり前で、それを薄利多売しようとする姿勢は、モノを大切にしなかったマネーローダリングの結果、一気に金融不安に全世界を陥れた金融先行型経済となんら変わりない。きちんとした対価を支払われるべき製品を、すべての国民が享受できる社会こそが、最低限の文化的水準をすべての国民が享受できる国である。馬鹿なつばぜり合いをしてないで、はやくそのための議論をしていただきたい。

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